待望の『グランド・セフト・オート6』の発売が(比較的)間近に迫る中、開発元のロックスター・ゲームスは英国とカナダで30名以上の従業員を解雇したことで、組合潰しの疑惑に直面している。
ゲーム業界では、経済状況やAI導入の拡大により労働環境が不安定化する中、労働組合の結成が増加している。
従業員の安全保障強化を図る動きである一方、今回の報道はロックスターのような企業がこうした組合の足場固めを阻止しようとしていることを示唆しており、将来的に法的問題を招く可能性もある。
ロックスターの解雇理由
ブルームバーグの報道によると、従業員は全員、異なる部門の開発者だったが、全員がDiscord上の非公開の組合チャットグループに参加しており、すでに組合に加入している者もいれば、加入を計画している者もいた。
ロックスター自身はこの状況について直接コメントしていないが、親会社であるテイクツーは PC Gamer に対し、ロックスターの決定を「全面的に支持」し、解雇された人々の「重大な過失」のみによるものだとの声明を発表した。
ロックスターは度々過酷な労働条件で非難されてきたが、特に顕著な例としては『レッド・デッド・リデンプション2』の発売直前の時期に、一部の従業員が過酷な労働条件が何ヶ月も続いていたと主張したことが挙げられる。
『グランド・セフト・オート 6』の発売が迫る中、ロックスター社内の雰囲気も同様に緊張していることは想像に難くなく、おそらくそれが従業員がそもそも組合結成を求めている理由でもある。
状況の合法性
ロックスターのこの決定は、物議を醸し、多くの観客に不評となるだけでなく、特定の雇用法に違反するリスクも伴う。
これらの事件が起きた2カ国、英国とカナダでは状況は異なるものの、英国では少なくとも1つの大規模組合である英国独立労働組合(IWGB)がロックスターを法律違反で告発しており、組合結成の試みが解雇の唯一の理由であれば、不当解雇は間違いなくこれらの基準に該当するだろう。
しかし、長期的に見ればこれが Rockstar に大きな変化をもたらすかどうかは疑問が残る。
企業として、彼らは倒産するほどには大きすぎると言えるだろう——多くのゲーマーは、その背後にいる企業の雇用慣行よりも、製品としての『GTA 6』や、そのアップデートに関するわずかな新情報にもっと関心を持っているはずだ。ただし、潜在的な法的紛争がどのようなものになるかは、まだ見通せない。
