ポーカーのハンドレンジの意味と重要性
ポーカーのハンドレンジは、対戦相手が持っている可能性のある手札の範囲を指します。ハンドレンジを分析することで、必然的にゲームプレイを戦略的に進めやすくなります。
たいていの初心者プレーヤーにとっては、ポーカーのハンドレンジ表は有益なツールとなるでしょう。ハンドレンジの概念を理解し、ハンドレンジ表をある程度覚えておくことで、今後のアクションの適切な判断を下し易くなります。
目次
ポーカーのハンドレンジ表の概要
ポーカーのハンドレンジ表には、主に次のような種類があります。
- マトリックス式
- パーセンテージ式
- レンジコンボ式
- レンジストランド式
いずれも、対戦対手のハンドレンジを素早く絞り込むためのツールとして活用できます。現在、最も普及しているポーカーのハンドレンジ表は、マトリックス式です。
マトリックス式では、より視覚的にハンドレンジを把握し易い構成となっています。
例:マトリックス式ハンドレンジ表(プリフロップ)
このハンドレンジで表は、縦 A~2の13行まで、横 A~2の13列から成り、169通りあるスターティングハンドの組み合わせを一目で確認可能。

- 中央斜めに🔴赤で色付けされたハンドはポケットペア(手札がペア)を示します。
- 表を斜めに区切り、下部の🔵青で色付けされたハンドはオフスート(手札2枚のカードのスートが異なる)ハンドを示します。
- 表を斜めに区切り、上部の🟡黄色で色付けされたハンドはスーテッド(手札2枚のカードのスートが同一)ハンドを示します。
ポーカーのハンドレンジ表の見方
以下、ポーカーのハンドレンジ表の見方について具体例を挙げて詳しく解説しています。
GTO(Game Theory Optimal/ゲーム理論最適化)に基づいた、アーリーポジションとレイトポジションの推薦されるハンドレンジ表を見てみましょう。
9max アーリーポジション(UTG)のハンドレンジ
9Maxでアーリーポジションからオープンレイズする際のハンドレンジは、以下が考えられます。

- AA、AKs、AQs、AJs、ATs、A9s、A8s、A7s、A6s、A5s、A4s、A3s、A2s
- AKo、KK、KQs、KJs、KTs、K9s、K8s、K7s、K6s、K5s
- AQo、KQo、QQ、QJs、QTs、Q9s
- AJo、KJo、JJ、JTs
- ATo、TT、T9s
- 99、88、77
ただし、JTs、T9s、K8s以下、A7s以下などは、後に3ベットされた際にプレイするのが不安であれば、最初からフォールドしても良いでしょう。
6max アーリーポジション(UTG)のハンドレンジ
6maxになると、アーリーポジションからオープンレイズするハンドレンジはやや広がり、以下が考えられます。

- AA、AKs、AQs、AJs、ATs、A9s、A8s、A7s、A6s、A5s、A4s、A3s、A2s
- AKo、KK、KQs、KJs、KTs、K9s、K8s、K7s、K6s、K5s
- AQo、KQo、QQ、QJs、QTs、Q9s、Q8s
- AJo、KJo、QJo、JJ、JTs、J9s、J8s
- ATo、TT、QTo、JTo、TT、T9s、T8s
- 99、98s
- 88、87s
- 77、76s
- 66、65s
- 55、44、33、22
9maxのハンドレンジよりも、ストレートやフラッシュを狙える手札を多めにプレイできます。ただし、レイトポジションから3ベットされた場合でも、コールしてプレイする方法を知っているハンドをプレイしましょう。
9max レイトポジション(BTN)のハンドレンジ
9Maxでレイトポジション(ボタン)からオープンレイズする際のハンドレンジは、以下が考えられます。

- AA、AKs、AQs、AJs、ATs、A9s、A8s、A7s、A6s、A5s、A4s、A3s、A2s
- AKo、KK、KQs、KJs、KTs、K9s、K8s、K7s、K6s、K5s、K4s、K3s、K2s
- AQo、KQo、QQ、QJs、QTs、Q9s、Q8s、Q7s、Q6s、Q5s、Q4s、Q3s、Q2s
- AJo、KJo、QJo、JJ、JTs、J9s、J8s、J7s、J6s、J5s、J4s
- ATo、TT、QTo、JTo、TT、T9s、T8s、T7s
- A9o、K9o、Q9o、J9o、T9o、99、98s、97s
- A8o、K8o、88、87s
- A7o、77、76s
- A6o、66s
- A5o、55
- A4o、44
- A3o、33
- A2o、22
レイトポジションになれば、自分より前のプレイヤーがフォールドした場合、SBとBB相手に幅広いハンドレンジがプレイできます。
6max レイトポジション(BTN)のハンドレンジ
6Maxでレイトポジション(ボタン)からオープンレイズする際のハンドレンジは、以下が考えられます。

- AA、AKs、AQs、AJs、ATs、A9s、A8s、A7s、A6s、A5s、A4s、A3s、A2s
- AKo、KK、KQs、KJs、KTs、K9s、K8s、K7s、K6s、K5s、K4s、K3s、K2s
- AQo、KQo、QQ、QJs、QTs、Q9s、Q8s、Q7s、Q6s、Q5s、Q4s、Q3s、Q2s
- AJo、KJo、QJo、JJ、JTs、J9s、J8s、J7s、J6s、J5s、J4s
- ATo、TT、QTo、JTo、TT、T9s、T8s、T7s、T6s
- A9o、K9o、Q9o、J9o、T9o、99、98s、97s、96s
- A8o、K8o、Q8o、98o、88、87s、86s
- A7o、K7o、77、76s、75s
- A6o、66s、65s
- A5o、55、54s
- A4o、44
- A3o、33
- A2o、22
プレイヤー数が少なくなれば良い手札を持つプレイヤーの可能性が減るため、9Maxよりもハンドレンジが広くなります。とはいえ、6Maxは9Maxよりも全体的にハンドの参加率が高くなるため、前のプレイヤーのアクションとベットサイズを考慮してプレイしましょう。
ポーカのハンドレンジの覚え方 – 重要なポイント

ポーカーのハンドレンジの覚え方で重要なポイントを以下にいくつか挙げていますので参照して下さい。
1.ハンドレンジの構造を把握する
ポーカーでは 9Maxと6Maxに加え、5Maxや3Max、ヘッズアップがあり、それら全て、かつ各ポジションのハンドレンジを丸暗記することはできません。基本的には、ポジションが有利なほどハンドレンジは広くなり、人数が少なくなるほどハンドレンジは広くなります。
この構造を理解しておくことで、9Maxのアーリーポジションのハンドレンジを把握しておき、人数が減るほど/ポジションが有利になるほど、レンジを広げていくという方法も取れるでしょう。
2.実践経験を積む
当然ながら、実践経験を積むほど、相手のハンドレンジが把握しやすくなります。推測した相手のハンドレンジと、ショーダウンで実際にどのようなハンドを持っていたかを確認する機会が増えるためです。
相手が思った通りのハンドを持っていれば的確に推測できていることになり、間違っていれば何を見過ごしたのかを復習しましょう。過去のプレイ履歴を見直し、それらを検証することで、ポジションによる適切なハンドレンジが実感できるでしょう。
ポーカーのハンドレンジは、テーブルのプレイヤー数やポジションによって変化します。また、上級者になると、「まさかこのハンドではプレイしないはず」といったハンドを持っており、ボードで上手く絡んだり、最初からブラフでポットを獲得するつもりでゴミハンドを持っていることも無きにしも非ずです。
ハンドレンジ表はプレイ戦略の判断に活用できますが、この通りにプレイしても必ず勝てるわけではありません。
3.学習ツールを活用する
ポーカー学習用ツールを活用することで、ハンドレンジも頭に入り易くなります。GTO Wizardのようなソルバー、リアルタイムアシスタントのようなさまざまなポーカー学習ツールが出回っており、これらを活用するのも一つの手です。
これらのツールは、ゲームプレイでの特定のシチュエーションにおける最適なハンドレンジとアクションを示し、その理解を助けてくれるでしょう。
ポーカーのハンドレンジに影響する主な要素
ポーカーのハンドレンジに影響する主な要素には以下が含まれます。
ポジション
ポジションは、ポジションに応じてプレイする手札のレンジは異なるはず。テーブルのプレイヤー数およびポジションによってゲームに参加するハンドレンジは異なります。
フルリングでは、自分より強いハンドを持つプレイヤーの確率が高いため、より慎重にハンドを選ぶのが一般的です。しかし、テーブルの人数が減るほど勝つ可能性が高くなるため、フルリングの時よりハンドレンジを広げることができます。
UTG(アンダー・ザ・ガン)といったアーリーポジションからは、他のプレイヤーよりも先にアクションを行わなければならないため、より勝率の高いハンドレンジでプレイされます。一方、BTN(ボタン)やカットオフ(CO)といったレイトポジションの場合は、前のプレイヤーたちのアクションに基づいて判断でき、より広いハンドレンジをプレイすることができます。
概して、フルリング(9MAX)でのアーリーポジションのプレイヤーは、中ランク以上のポケットペア、AK、AQなど、約 10~15%のハンドレンジをプレイします。ミドルポジションなら15~30%、レイトポジションならスーテッドコネクター、ローペアなどの手札もプレイしやすく、約 30~40%のハンドレンジをプレイできます。
ただし、6MAXのテーブルになるとハンドレンジはやや広くなり、3MAXやヘッズアップになるとさらに多くのハンドレンジをプレイします。
ベットサイズ
大きなベットは、多くの場合、より強いハンドであることを示唆します。一方、小さなベットやリンプ、チェックといったアクションは、自信のなさを表しています。
プレイヤーがプリフロップで大きなレイズ、3ベット、オールインなどは、AKなどのプレミアムハンドを持っている可能性が高いと推測できます。反対に、小さなベットはスーテッドコネクターのような、ボードテクスチャ(コミュニティカードの構成)によっては強いハンドになる可能性を秘めているものの、絡まなければ弱いハンドレンジであることを示します。
大きすぎず小さすぎないベットは、KJ、KT、QJのようなミッドレンジかもしれません。各プレイヤーのベットサイズやレイズのパターンを観察することで、そのプレイヤーのハンドの強さを示す手がかりが得られます。
ただし、こちらのレイズを促すために小さなベットやチェックを戦略的に使うことも考えられるので、見極める能力が必要です。
プレイスタイル
ハンドレンジを推測する際は、対戦相手のプレイスタイルも考慮しましょう。アグレッシブなプレイヤーは、幅広いハンドレンジをオープンレイズします。
タイトなプレイヤーは、プレミアムハンドでも慎重にプレイする傾向にあります。中には、ブラフ過多なプレイヤーも。あなたがフォールドしたハンドでも、他のプレイヤーたちのプレイの仕方に注意を払い、どのようなハンドレンジでどんなベットやアクションを行っているかを分析しましょう。
ボードテクスチャ
ボードテクスチャ(コミュニティカードの構成)は、特定のハンドレンジにアドバンテージを与えます。例えば、オープンレイズした相手に中ランクのスーテッドコネクターでコールし、フロップでAが現れた場合は相手が有利です。
反対に、フロップが中ランクのウェットボード(カードに繋がりがありドローハンドや強い役が作れる可能性のあるボード)でドローやトップペアとなった場合、あなたに優位性があります。ポストフロップ(フロップが公開された後の全てのベッティングラウンド)のボードテクスチャが相手のハンドをどのように変化させたかを推測し、それに応じて対応しましょう。
プリフロップのハンドレンジの予想

プリフロップのハンドレンジの予想では、上記のようなハンドレンジ表が活用できますが、加えて、ポジションやベットサイズ、ハンドレンジに影響を及ぼす他のの要素も考えなければなりません。
最初にオープンレイズしたプレイヤーに対して3ベットしたなら、かなり強いハンドを持っていることが伺えます。また、タイトなプレイヤーなら、ハンドレンジ表より範囲が狭くなるかもしれませんが、攻撃的なプレイヤーなら表よりも広い場合もあるでしょう。
もしあなたが強いハンドを持っているのなら、しっかりとレイズして対戦相手を減らさなければなりません。3ベットに直面した場合、中ランクのコネクター等のハンドを持つプレイヤーはほとんどがフォールドするはずです。
あなた自身も、レイトポジションといえど、すでに二人がハンドに参加している場合や3ベットがあった場合などは、それなりの勝率があるハンドレンジでなければコールするのはリスクが伴います。
ポストフロップのハンドレンジの予想
ポストフロップのハンドレンジとは、各ストリートでコミュニティカードが配られた際のプレイヤーハンドの可能性を指します。プリフロップでしっかりとレイズし、弱いハンドをフォールドさせた後にフロップでカードが開き、相手のアクションから分析してさらにハンドレンジを絞ります。
プリフロップから大きなレイズをした相手ならA絡みの良いハンドでしょうし、KK~77あたりのポケットペアも考えられます。反面、AA(時にKKも)なら、大きくベットすると皆がフォールドしてしまうので、適度なレイズ、または相手にコールするだけに留まるでしょう。
これらを考慮しながら、フロップへ進みます。
ポストフロップのハンドレンジの絞り込み
フロップでは、相手のハンドがボードのカードと絡んだかどうかを、相手のアクションから考えます。大きなレイズをした相手にコールし、フロップでボードにAが現れたら要注意。あなたがAを持っていない場合は、相手のベットの仕方によっては早めにフォールドした方が損失は少なく済みます。
反対に、中ランクのコネクターハンドで、大きなレイズをした相手にコールし、フロップで中ランクのカードが現れた場合はポットを獲得するチャンスです。ポストフロップでは、ボードテクスチャと相手のアクションから得られる情報に基づいて、相手のハンドを絞り込むことができます。
具体例:相手がミドルポジションから3BBをベットした場合
例えば、テキサスホールデムで、相手のハンドレンジがAハイもしくはKハイ、キッカーも高いランクのカードだと推定します。もしくは、何らかのポケットペアかもしれません。
あなたはBBで、9♠ 8♠ のスーテッドコネクターを持っています。すでに1BBをベットしているので、2BBを追加してコールしました。
- 自分:9♠ 8♠
- 相手:Aハイ+高ランクのキッカー/Kハイ+高ランクのキッカー/55以上のポケットペア(88/99の可能性は低い)
シナリオ1:フロップでAやKが現れた場合は慎重にプレイしなければなりません。相手がトップペアを持つ可能性が高いからです。
1BBをベットすると、相手がレイズ。この場合は、あなたのハンドがストレートドローやフラッシュドローでない限り、フォールドするのが無難です。
シナリオ2:しかし、フロップが 5♠ 7♥ 8♦ など中ランクのカードのみが現れた場合(4‐6‐7 などのドローでも可)、1/2ポットほどをベットすればほとんどの相手はフォールドするでしょう。
シナリオ3:フロップ 5♠ 7♥ 8♦ 反対にあなたがインポジション(相手より後にアクションするポジション)であれば、相手がスモールベットをした場合はレイズしましょう。相手に役がなければ高い可能性でフォールドします。
そのレイズにコールするようなら、相手のハンドが66でストレートドロー、55/77でセットを持っていてスロープレイをしている可能性が高まります。
シナリオ4:フロップが 5♠ 7♥ 8♦ 相手がT以上のポケットペア(88および99はあなたが1枚ずつ持っているため可能性は低い)であれば、こちらがドローハンドを完成させる前にフォールドさせようと考えるので、スモールベットはしません。
相手もこちらのハンドレンジを考えており、おそらく AハイやKハイ、中ランクのコネクターを持っていてドローハンド、もしくはトップペアだと考えているはず。そのため、大きくベットしたり、こちらのベットに対しレイズするようなら期待値を考えて対応しましょう。
シナリオ5:また、中にはターンやリバーでAやKが現れることを期待し、コールしてくる相手もいます。
ターンでの相手のハンドレンジ絞り込み
シナリオ1:ターンで2や3といったカードが現れた場合、こちらがさらにベット(コールしやすいほど小さくなく、コールするには期待値の低いベットサイズで)すると、何も絡んでなければフォールドするはず。
シナリオ2:ターンで2(または3) こちらのバリューベットにコールしてくるようなら、66でストレートドロー、55/77のセットの可能性大。リバーでは慎重にプレイすべきです。
シナリオ3:ターンでA(またはK) 相手がトップペアとなった可能性があり、大きなベットは危険です。相手のアクションから探りましょう。
もちろん、ブラフの多い相手にはブラフの可能性も考えてください。ブラフ過多の相手の場合、リレイズするとあっさりとフォールドすることも少なくありません。
