このページでは、パイゴウポーカーについて分かりやすく解説しています。Pai gow pokerで遊びたい方は、以下のガイドを参考にして下さい。
目次
パイゴウポーカーとは
パイゴウポーカーとは、1デッキ52枚のカードと1枚のジョーカーの計53枚を使い、各プレイヤー7枚の手札を2枚と5枚のハンドに分け、2ハンドで役を競うポーカーです。パイゴウポーカーをプレイするには、まずはポーカー役を知らなければなりません。
また、5枚のハンドは2枚ハンドより強いハンドでなければならないため、手札の分け方を考える必要があります。けれど、これがパイゴウポーカーの醍醐味とも言えるでしょう。
ハンドを分けるという点ではチャイニーズポーカーにも似ており、チャイポをプレイしたことがある人ならすぐにコツが掴めるはず。逆に、パイゴウポーカーを覚えればチャイポもすぐに覚えられます。
パイゴウポーカーの勝敗は、2枚のローハンド(セカンドハンドとも呼ぶ)と5枚のハイハンドごとに見ていくため、両方のハンドで勝った場合にのみ利益が得られます。
パイゴウポーカーのルーツと経緯
パイゴウポーカーの起源は、天九牌という名の牌を使った中国のドミノゲーム、パイゴウ(牌九)が起源です。広東語では「パイガオ」「パイガウ」発音に近いことから、パイガオポーカー/パイガウポーカーと呼ばれることもあります。
パイゴウ(牌九)は32枚の天九牌を各プレイヤーに4枚ずつ配り、それを2枚ずつに分けて役の強さを競うゲームです。19世紀、この牌九が中国人労働者によってアメリカにもたらされ、ポーカーと組み合わされてパイゴウポーカーが考案されたとされています。
1986年にはカリフォルニア州ベルカーデンにあるカードルーム「バイシクルクラブ」がパイゴウポーカーを最初に導入し、その年の終わりにはネバダ州のポーカールームでも導入されました。
カリフォルニア州のパイゴウポーカーでは、プレイヤーの1人が親となってプレイされていました。しかし、1987年にネバダ州のデザートインホテルのカジノでディーラーがバンカー(親)となり、ディーラー対プレイヤーでプレイするネバダスタイルが確立されました。
現在でもランドカジノやオンラインカジノでは、ネバダスタイルでプレイされています。
パイゴウポーカーのルール
パイゴウポーカーは、基本的に以下のルールでプレイします。
- ベットを置く
- 各プレイヤーにカードを7枚ずつ配る
- 各プレイヤーは7枚のカードを2枚のローハンドと5枚のハイハンドに分ける(カードは伏せたまま)
- ディーラーがカードを公開し、2つのハンドに分ける
- プレイヤーがカードを公開し、ローハンドとハイハンドごとに勝敗を見る
パイゴウポーカーは、ジョーカーを含んだ53枚のカードを使いますが、ジョーカーはエース(A)またはストレートとフラッシュ役の一部としてのみ使用可能です。
7枚のカードを2枚のローハンドと5枚のハイハンドに分ける際、ローハンドは必ずハイハンドより弱いハンドでなければなりません。このルールに違反するとファウルとなり、ハンドは両方とも負けとなります。
ファウル例1
- ローハンド:8♠ 8♣(8のペア)
- ハイハンド:7♦ 7♥ A♥ K♠ Q♣(7のペア)
ファウル例2
- ローハンド:A♠ Q♣(Aハイ)
- ハイハンド:K♣ J♠ 9♥ 8♥ 5♦(Kハイ)
勝敗は、ディーラーとプレイヤーのローハンド同士を比べ、ハイハンド同士を比べます。そのため、どちらか一方のハンドが勝ちでもう一方が負けの場合、賭けはプッシュ(引き分け)となります。
パイゴウポーカーの遊び方
パイゴウポーカーの遊び方を以下に解説しています。1テーブルで最大6人のプレイヤーが参加できます。
1.賭け金を置く
プレイヤーは、カードが配られる前に賭け金を置きます。
2.カードディール
ディーラーはカードをシャッフルし、プレイヤーの人数に関わらず、7枚ずつ7つの山に分けます。この時ディーラーは、残りのカードが4枚であることをプレイヤーに見せ、不正や分配に間違いがないことを示します。
3つのダイスが振られ、出た目の数をディーラーが1とし、ディーラーから見て右に座る席を2として、反時計回りに数えます。カウントでダイスの出目にあたるプレイヤーに最初のカードの山が配られ、反時計回りに空席も含め、カードの山が配られます。
カードを配り終えたところで、空席のカードの山はディスカード(捨て札)となり、回収されます。オンラインでパイゴウポーカーをプレイする場合は、乱数発生器によりランダムに選ばれたカードが自動で配られます。
3.ハンドを配置する
プレイヤーは7枚のカードを確認し、ローハンド2枚とハイハンド5枚に分け、裏向きにカードを置きます。上のボックスに2枚のローハンド、下のボックスに5枚のハイハンドとなるように組み合わせましょう。
なお、ジョーカーはフラッシュまたはストレート役ではワイルドカードとして使えますが、それ以外はAとみなされることに注意して2つのハンドを作ってください。オンラインカジノでは、ハンドを「ハウスウェイ」に従って分けてくれるボタンが見つかることもあります。
一度配置したカードの組み合わせは、ディーラーのカードが公開されると変更することはできません。
4.ディーラーハンドが公開され勝敗が決まる
ディーラーハンドが公開され、「ハウスウェイ」のルールに従ってローハンドとハイハンドに分けられます。
テーブルの左に座るプレイヤーから、ディーラーとのローハンドとハイハンドとが比較され、勝てば払い戻しがあります。オンラインカジノのパイゴウポーカーでは1対1の勝負となりますが、ランドカジノでプレイする際はバカラやブラックジャックとは異なり、テーブル左のプレイヤーから勝敗の確認が行われます。
ランドカジノでパイゴウポーカーをプレイする際、どのように分けるか悩む場合もあるかもしれません。そんな時は、ディーラーにカジノで定められたセット方法である「ハウスウェイ」に従ってセットしてもらうこともできます。
ただし、基本的にディーラーはハンドの分け方についてのアドバイスはできません。
パイゴウポーカー のサイドベット
パイゴウポーカーのサイドベットには、主に以下が含まれます。テーブルによっては、複数のサイドベットが可能です。
フォーチュンボーナス
フォーチュンボーナスは、配られた7枚のカードでストレート以上の役ができた場合にボーナスが支払われるサイドベットです。
ゲームでの勝ち負けは問いません。
強い役ができるほどボーナス額も高くなり、ジョーカーを含まない7枚のストレートフラッシュができれば、8,000倍の配当が付くゲームも。
「フォーチュンボーナス」のサイドベットに賭けたい場合は、パイゴウポーカーで賭け金を置く際にフォーチュンボーナスボックスへ同時に賭け金を置きましょう。
一般的に$1からフォーチュンボーナスへ賭けることができ、多く賭けるほど配当も乗算されます。(最大$200が一般的)
フォーチュンボーナスの配当は、ラウンド終了時に支払われます。
エンヴィーボーナス
フォーチュンボーナスに$5以上のベットをした場合、そのプレイヤーは「エンヴィボーナス」の対象となります。
通常、エンヴィボーナスの対象となると、フォーチュンボーナスベットの上に「エンヴィボタン」と呼ばれる丸いプレートが置かれます。
エンヴィーボーナスは、自分のハンドに対して「フォーチュンボーナス」をベットしつつも、自分以外の他のプレイヤーがフォーオブアカインド(4カード)以上の役を完成すると、ボーナスを獲得できます。
エンヴィは「うらやましい」という意味があり、他のプレイヤーの幸運を祈りながら、かつ自分にも恩恵があるというサイドベットです。
配当は、パイゴウおよびフォーチュンボーナスへの賭けがすべて決済された後、エンヴィボーナスが支払われます。
プログレッシブボーナス(ジャックポットボーナス)
プログレッシブボーナスまたはジャックポットボーナスは、通常のパイゴウポーカーのベットと同時に置きます。
一般的なプログレッシブボーナスの賭け金は5ドルとなっており、このベットはプレイヤーに返金されることはありません。
プログレッシブボーナスの賭け金は積み立てられており、条件を満たすポーカーハンドが完成するとプログレッシブボーナス(ジャックポットボーナス)を獲得できます。
宝くじ感覚で、大きな夢を見られるサイドベットとなっています。
パイゴウポーカーの役
パイゴウポーカーは、2枚ハンドと5枚ハンドに分かれています。
2枚ハンド
2枚ハンドで最も強い役は Aのペア、次に Kのペア、Qペア、Jペア…となり、2のペアの次に強いのは、AKのハイカードです。
AKの次に強いのは AQ、AJ、AT、A9…となり、A2の次に強いのは KQ、KJ、KT…という順に続きます。
5枚ハンド
5枚ハンドは一般的なポーカー役のハンドランキングと同じですが、ジョーカーがあるため、以下のハンドランキングとなります。
- 5カード(同じランクのカード4枚とジョーカー)
- ロイヤルフラッシュ(同じロイヤルフラッシュの場合はジョーカーなしがより強い)
- ストレートフラッシュ(同じランクのストレートフラッシュの場合はジョーカーなしがより強い)
- フォーオブアカインド(4カード)
- フルハウス
- フラッシュ
- ストレート
- スリーオブアカインド(3カード)
- ツーペア
- ワンペア
- ハイカード
パイゴウポーカーの配当
パイゴウポーカーの配当について、知っておくべき点を解説します。
- プレイヤーの両ハンドがバンカーの両ハンドよりも強い場合、プレイヤーの勝ちとなり、賭け金に対して「1:1」の配当があります。ただし、賭け金の5%がコミッション(手数料)として徴収されます。例:$10ベットして両ハンド勝つと、$19.50の払い戻し
- プレイヤーのローハンドまたはハイハンドのいずれかが、バンカー(ディーラー)の同ハンドよりも強く、もう一方のハンドがバンカーの同ハンドよりも弱いか同じ場合、プッシュ(引き分け)とみなされ、プレイヤーのベットは返金となります。
- プレイヤーの両ハンドがバンカーの両ハンドよりも弱い場合、プレイヤーは負けとなり、賭け金は損失となります。
- プレイヤーとバンカーのハンドが同じ場合(例えば両者のローハンドが 5のペア など)は、コピー(引き分け)ハンドと呼ばれ、プレイヤーの負けとなります。
パイゴウポーカーの控除率
パイゴウポーカー ゲームの控除率は、以下の通りです。
ゲーム | 平均控除率 |
Pai gow poker | 約2.5%~2.84% |
ハウスエッジが約2.5%~2.84%のため、低リスクのカジノゲームといえるでしょう。ただ、ハンドに勝った場合の5%のコミッションを徴収しないカジノもあります。
コミッションのないバンカー(カジノ)のハウスエッジは1.3%となり、ノーコミッション・パイゴウポーカーが最も有利になります。パイゴウポーカーはサイドベットの有無はあれど、ルールは全て同じです。
パイゴウポーカーのプレイ戦略・コツ
1.2つのハンドのバランスをとる
パイゴウポーカーは、両ハンドに勝ってこそ利益があります。そのため、バランスよくハンドを分けるのがコツであり、それこそが唯一の攻略法となります。例えば、ハイハンドがフルハウスの場合でもローハンドが弱ければハイハンドしか勝てず、結果的にプッシュとなるからです。
2.7枚のカードの分け方をよく考慮する
7枚のカードの分け方について、適切に戦略を打つことが重要です。以下のカジノディーラーが行う「ハウスウェイ」に基づく分け方を参考にしてみましょう。
概してこの分け方では、勝つ確率の高いポーカー役が作りやすくなります。
ハイカード | 2番目と3番目に高いランクのカードをローハンドにする |
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ペアがある場合 | ペアをハイハンドに置き、残りの5枚のうち最も高いランク2枚をローハンドにする |
ツーペアーがある場合 | ツーペアのある場合は、カードの内容によって最適な分け方が異なります。
この分け方は、ローハンドにAがあると負ける可能性が低いことから、パイゴウポーカーの防御的な基本の分け方です。 結果は相手のハンドによるため、プッシュを狙うならカードのランクに関わらず、ハイハンドにツーペアを置くと高い確率でプッシュとなります。 |
スリーペア(ペアが3組)の場合 | 最も高いランクのペアをローハンドに置き、ハイハンドに残りのツーペアを置く。
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スリーオブアカインド(3カード)がある場合 | スリーカードがある場合は、カードの内容によって最適な分け方が異なります。
スリーカードの場合も結果は相手のハンドによるため、プッシュを狙うならカードのランクに関わらず、ハイハンドにスリーカードを置くと良いでしょう。 |
ストレートがある場合 | 7枚のカードにストレートがある場合、カードの内容によって最適な分け方が異なります。
この分け方は、パイゴウポーカーの両ハンドで勝てる可能性の高い戦略です。相手のハンドにもよるため、プッシュを狙うならハイハンドにストレートを置くと良いでしょう。 また、サイドベットを賭けている場合はその配当を考慮し、ストレートを崩すか崩さないかを決めます。 |
フラッシュがある場合 | 7枚のカードにフラッシュがある場合、カードの内容によって推薦される分け方は以下となります。
この分け方は、パイゴウポーカーの両ハンドで勝つための基本戦略です。相手のハンドにもよるため、安全にプッシュを狙うならハイハンドにフラッシュを置くと良いでしょう。 また、サイドベットを賭けている場合はその配当を考慮し、フラッシュを崩すべきかを決めます。 |
ストレートにもフラッシュにもできる場合 | 7枚のカードでフラッシュとストレートのどちらも作れるカードの場合、カードのランクによって推薦される分け方が異なります。
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フルハウスがある場合 | ハイハンドに3カード、ローハンドにペアを置く。
フルハウスに加えてペアがある場合(例:JJJ+33+88)は、ペアの高いほうをローハンドに置く。 サイドベットに賭けている場合は、その配当を考慮しましょう。 |
4カードがある場合 | 7枚のカードで4カードの場合、分けてツーペアで勝負する方が両ハンドで勝つ可能性が高いとされています。
くれぐれもハイハンドをAの3カード+ローハンドAハイとはしないようにしましょう。 |
5カードがある場合 | Aの5カードはAのフルハウスとしてフルハウスの基本戦略に従う。
サイドベットを行っている場合は、その配当も考慮してください。 |
ストレートフラッシュがある場合 | ストレートフラッシュはストレートまたはフラッシュの基本戦略に従ってカードを分ける。
サイドベットを行っている場合は、その配当を考慮してカードを分けるかどうかを判断しましょう。 |
このように、パイゴウポーカーはフォーオブアカインドやストレートフラッシュができても、サイドベットに賭けていない限り、ワンペアやツーペアで勝つのと同じ配当です。
そのため、強い役を作るのにフォーカスするのではなく、ギリギリ勝てる役を両ハンドで作ることにフォーカスしましょう。