このページでは、ダランベール法について分かりやすく解説しています。ダランベール法を実践したい方は、下記を参照して下さい。
目次
ダランベール法とは
ダランベール法は、勝てば賭け金額を減らし、負ければ増やしていく、ポジティブプログレッションのベッティングシステムのひとつ。ピラミッド法とも呼ばれ、結果に応じて、1単位ずつ賭け金を調整します。
古くからある戦略で、規則もわかりやすく、ルーレットやバカラなど複数のゲームに応用可能。ただし、ローリスク・ローリターンの賭け手法です。
ダランベール法の利点・欠点
ダランベール法の利点・欠点には、下記が挙げられます。
利点
- 実践し易い
- 複数のゲームに使える
- 少ない資金でも実践できる
- 損失リスクが比較的低い
ダランベール法はすぐ使える手法であり、かつローリスク。様々なカジノゲームで適用できます。
マーチンゲール法のように連敗が続いても、ベット額の増幅が急激に大きくなることはありません。低額の資金でも実践し易い戦略です。
欠点
- 利益率が低い
- やめ時を自分で判断する必要がある
- 一回の勝ちで損失を回収できない
- 単調な賭け方の繰り返し
ダランベール法は、一度の勝利で損失を取り戻すことはできません。利益率が低めのため、利益を得るには長期戦となることも。
また、1セット終了の明確なルールがないため、予算と相談しながら、やめ時を自身で判断する必要があります。単調な賭け方の繰り返しとなり、ゲーム本来の楽しさも半減するかもしれません。
ダランベール法が使えるゲームと賭け方の種類
ダランベール法は、以下のゲームおよび賭け方で最も有効になります。
ゲーム | 賭け方 |
---|---|
ルーレット |
|
クラップス |
|
シックボー |
|
ブラックジャック | ダブル/スプリット時には法則の調整が必要 |
バカラ | 「バンカー」へのベットは配当が 1:0.95 になることに注意 |
この手法は、原則、勝率約50%かつ2倍配当で成立します。勝率が50%を大きく下回る賭けでは、連敗が発生しやすく、利益を得るにはかなりの時間と労力が必要になります。
2倍配当以下になると、勝利しても取り戻せる損失分が少なく、連敗すると回収が難しくなります。また、オンラインカジノの派生型ルーレット、バカラ、ブラックジャックゲームの一部では、配当が異なる場合があります。
ルーレット
ルーレットは、ダランベール法が最も活用し易いゲームです。カラーベット、オッド/イーブン、ハイ/ローベットの賭けエリアの勝率は、48.6%。
ルーレットには、ヨーロピアン、フレンチ、アメリカンルーレットがあります。「0」と「00」のあるアメリカンルーレットは勝率が47.3%と下がるため、「0」が一つのヨーロピアンもしくはフレンチルーレットで実践しましょう。
バカラ
バカラはバンカー賭けで45.86%、プレイヤー賭けで44.62%の勝率があり、ダランベール法が適用できるゲームです。ただし、バンカーで勝利した場合は5%のコミッションが徴収されるため、累計損益に狂いが生じます。そのため、プレイヤー賭けで実践しましょう。
プレイヤー賭けはバンカー賭けより勝率が低いため、連敗の可能性があり、長びく可能性があることを覚えておきましょう。
ブラックジャック
ブラックジャックは、ベーシックストラテジーに従ってプレイした場合、99%以上の還元率を持つ勝率の高いカジノゲームです。そのため、ダランベール法を適用することもできますが、ダブルやスプリットが最適な場面では、ベット額の法則に狂いが発生し、高額ベットとなる場合があるので注意が必要です。
クラップス
クラップスでもダランベール法が使えます。メインの賭け方となるパスライン/カムの確率は49.29%、ドントパス/ドントカムの確率は47.93%です。
ただし、総じてクラップスのゲームプレイ時間は、比較的長めである点を留意しておきましょう。
ダランベール法の使い方・やり方
ダランベール法の使い方について、以下にステップごとにガイドしています。
1. 基本ベットを決める
ダランベール法は、基本ベットから賭け金を1単位足したり減らしたりしながら賭けていきます。そのため、連敗に備えて資金は基本ベットの20倍以上を用意するのが望ましいでしょう。
資金に応じて、基本ベット額に設定すると無理なくプレイできます。
2. 勝敗に応じてベット額を増減する
勝てば基本ベット額の1割を減らし、負ければベット額を1単位増やします。
基本ベットが$10なら
- 負ければ次のラウンドで $11 をベット
- 勝てば次のラウンドで $9 をベット
基本ベットを$100とした場合は、勝敗に応じて$10を増減することになります。この規則でプレイを繰り返します。
基本ベットは$5や$50とし、2単位増減することもできます。例:$50で勝ったら$40、負けたら$60
基本ベットが低いほどリスクが低く、基本ベットが高いほど大きな利益が得られます。
3.賭け金が$0になるか、適度な利益が出た時点でリセットする
上記の法則で賭けを続け、ベット額が$0になれば利益が発生しているため、リセットして最初からやり直します。しかし、例えベット額が$0にならなくても、既に利益が発生していることも少なくありません。
ダランベール法では、ベット額が$0になった方が利益が多いわけでもありません。勝敗の現われ方によるので、ほどほどの利益を得た時点でリセットし、最初からやり直すことで時間の節約となります。
ダランベール法のシミュレーション例
上記の解説だけだと、累計がどのように変化して利益が発生するのか分かりづらいと思うので、シミュレーション例をあげてみましょう。
ラウンド | ベット額 | 勝敗 | 累計損益 |
---|---|---|---|
1 | 10 | 負け | -10 |
2 | 11 | 負け | -21 |
3 | 12 | 負け | -33 |
4 | 13 | 負け | -46 |
5 | 14 | 勝ち | -32 |
6 | 13 | 勝ち | -19 |
7 | 12 | 負け | -31 |
8 | 13 | 勝ち | -18 |
9 | 12 | 勝ち | -6 |
10 | 11 | 勝ち | +5 |
この後、11ラウンドも続けることができますが、11ラウンドで負けると長期戦となる可能性があります。長期戦を避けたい方は、ここでリセットすることをおすすめします。
ダランベール法は連勝が続くと長引く傾向にあり、連勝が続くと早めにリセットできます。そのため、連敗の後に損失を取り戻したら、そこでリセットする方が賢い選択でしょう。
ルーレットゲームでのダランベール法の実践例
以下、ルーレットでのダランベール法の実践例を提示しています。
実践例
カラーベット(赤)へ基本ベット$10で開始した結果です。
ラウンド | べット額 | 勝敗 | 累計損益 |
---|---|---|---|
1 | $ 10 | 勝ち | +$ 10 |
2 | $ 9 | 負け | +$ 1 |
3 | $ 10 | 負け | -$ 9 |
4 | $ 11 | 勝ち | +$ 2 |
5 | $ 10 | 負け | -$ 8 |
6 | $ 11 | 負け | -$ 19 |
7 | $ 12 | 負け | -$ 31 |
8 | $ 13 | 勝ち | -$ 18 |
9 | $ 12 | 負け | -$ 30 |
10 | $ 13 | 勝ち | -$ 17 |
11 | $ 12 | 勝ち | -$ 5 |
12 | $ 11 | 負け | -$ 16 |
13 | $ 12 | 勝ち | -$ 4 |
14 | $ 11 | 勝ち | +$ 7 |
14ラウンド終了時の利益は7ドルとなりました。なお、4ラウンド目に利益が出てリセットしたとしても、結果は同じ+7ドルです。
バカラでのダランベール法の実践例
以下、バカラでのダランベール法の実践例を解説していますので、参考にして下さい。
[/su_note]実践例
プレイヤー賭けで基本ベット$10で開始した結果です。
ラウンド | べット額 | 勝敗 | 累計損益 | ラウンド | べット額 | 勝敗 | 累計損益 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | $ 10 | 負け | -$ 10 | 12 | $ 15 | 勝ち | -$ 42 |
2 | $ 11 | 負け | -$ 21 | 13 | $ 14 | 勝ち | -$ 28 |
3 | $ 12 | 勝ち | -$ 9 | 14 | $ 13 | 負け | -$ 41 |
4 | $ 11 | 勝ち | +$ 2 | 15 | $ 14 | 勝ち | -$ 27 |
5 | $ 10 | 勝ち | +$ 12 | 16 | $ 13 | 負け | -$ 40 |
6 | $ 9 | 負け | +$ 3 | 17 | $ 14 | 勝ち | -$ 26 |
7 | $ 10 | 負け | -$ 7 | 18 | $ 13 | 勝ち | -$ 13 |
8 | $ 11 | 負け | -$ 18 | 19 | $ 12 | 勝ち | -$ 1 |
9 | $ 12 | 負け | -$ 30 | 20 | $ 11 | 負け | -$ 12 |
10 | $ 13 | 負け | -$ 43 | 21 | $ 12 | 勝ち | ± $ 0 |
11 | $ 14 | 負け | -$ 57 | 22 | $ 11 | 勝ち | +$ 11 |
少し長引きましたが、22ラウンド終了時の利益は11ドルとなりました。なお、4ラウンド目に利益2ドルが出てリセットした場合、19ラウンドで再び+5ドルとなり、合わせて7ドルの利益となります。
このように、どの地点でリセットするかによって利益に多少の差が生まれます。
ブラックジャックゲームでダランベール法を実践する
以下、ブラックジャックでのダランベール法の実践例を挙げています。
実践例
基本ベット$10で開始し、ダブルやスプリットを行った際の1セット10ラウンドの結果は以下の通りです。
ラウンド | べット額 | 勝敗 | 累計損益 |
---|---|---|---|
1 | $ 10 | 負け | -$ 10 |
2 | $ 11 | 負け | -$ 21 |
3 | $ 24($ 12+ダブル $12) | 負け | -$ 45 |
4 | $ 25 | 勝ち | -$ 20 |
5 | $ 24 | 負け | -$ 44 |
6 | $ 25 | 負け | -$ 69 |
7 | $ 52($ 26+ダブル $26) | 負け | -$ 121 |
8 | $ 53 | 負け | -$ 174 |
9 | $ 54(BJ=配当 $ 135) | 勝ち | -$ 39 |
10 | $ 53 | 勝ち | +$ 14 |
10ラウンド終了時の利益は14ドルとなりました。ダブルやスプリットが適切な場面でも、ディーラーが良いハンドとなって負けてしまうとベット額が吊り上がります。
ブラックジャックでダランベール法を実践する際は、多めの資金を用意しておきましょう。
クラップスでのダランベール法の実践例
以下、クラップスでのダランベール法の実践例を解説しています。
実践例
パスラインへ基本ベット$10で開始し、10ラウンドまで行った結果は以下の通りです。
ラウンド | べット額 | 勝敗 | 累計損益 |
---|---|---|---|
1 | $ 10 | 負け | -$ 10 |
2 | $ 11 | 勝ち | +$ 1 |
3 | $ 10 | 負け | -$ 9 |
4 | $ 11 | 勝ち | +$ 2 |
5 | $ 10 | 負け | -$ 8 |
6 | $ 11 | 勝ち | +$ 3 |
7 | $ 10 | 負け | -$ 7 |
8 | $ 11 | 勝ち | +$ 4 |
9 | $ 10 | 負け | -$ 6 |
10 | $ 11 | 勝ち | +$ 5 |
勝ち負けが交互に訪れましたが、10ラウンド目には5ドルの利益が発生しました。この後の10ラウンドでは、3回負け/7回勝ちとなり、クラップスはダランベール法やその他 50%確率&1:1 配当のゲームで有効なシステムベットに最適です。
ダランベール法で勝てない際のヒント
ダランベール法で勝てない際には、以下のヒントを参考にして下さい。
1.期待値とオッズ値
ダランベール法で利益を得るには、「期待値」と「オッズ」が重要となります。期待値=つまりは確率と、オッズ=つまりは配当です。
競馬や競艇にダランベール法が適用できるという声もありますが、その賭けは勝率50%といえますか?加えてオッズは2.0(1:1)以上ですか?
この両方が揃っていないと、ダランベール法の原理はうまく機能せず、リスクの高いものになります。たとえあなたのスポーツベットでの勝率が50%でも、的中した賭けのオッズは全て2.0以上でなければ破綻するということです。
期待値が低いと連敗が続きなかなか利益が出ない、オッズが低いと5割勝っても損失を取り戻すことができないことを覚えておきましょう。
2.ブラックジャックでは資金切れのリスクが高い
リスクの少ないことが魅力のダランベール法ですが、ブラックジャックで実践する場合はダブルやスピリットにより、賭け金が高くなりやすいことを覚えておいてください。
かといって、ダブルやスプリットを行わないのは、勝率を下げる行為です。ダランベール法を使っていても、ダブルやスプリットすべき場面ではしっかり行いましょう。
賭け金が2倍必要なダブルやスプリットを行うことで資金面に不安がある場合は、他のゲームで実践することをおすすめします。さもなければ、資金切れで勝てずに終わる可能性があります。
3.連敗時には長期戦になりがち
ダランベール法は、連敗が続くとプラス収支になるまでにかなり時間がかかることもあります。しかし、マーチンゲール法のように賭け金が倍々になるわけではありません。
長期戦になると、それほど大きく稼げるわけてはない戦略を続けるのが面倒になることも考えられます。この手法を始める前に、目標の利益に達するまでにある程度の時間がかかる可能性を頭に入れておく必要があるでしょう。