ゲーム・eスポーツ企業が2026年までにマルタで1,300の新規雇用創出に向け6,000万ユーロを投資

会議の様子

マルタのゲーミング、ビデオゲーム開発、eスポーツ産業は大幅な成長が見込まれており、経済省の発表によると、企業は2026年末までに6000万ユーロの投資を約束し、1300の高度なスキルを要する高賃金職を創出する見込みである。

この発表は、シルヴィオ・シェンブリ経済大臣と複数の業界大手企業のトップ幹部との会合で行われた。マルタにおける成長計画とこれらのダイナミックなセクターの全体的な方向性に関する議論の一環として実施された。

会合では8件の新規投資が発表され、総額6000万ユーロで今後2年間に1300の質の高い雇用創出が約束された。

一方、ブラジルを代表するeスポーツチーム「Esports Imperial」は、欧州本拠地をマルタに置くことを明らかにした。同拠点は今年12月に稼働開始予定である。

一方、BLAST TVは2025年までに全世界で32億人の視聴者獲得という野心的な成長目標を設定した。同社は現在、今後3年間で1000万ユーロの支援を得てマルタでの運営とイベント開催を実現するため、同国での登録手続きを完了させている。

ビデオゲーム開発分野では、ユニティ社が集中的な教育・訓練プログラムを通じ、次世代マルタ人材の育成に継続的に取り組む方針を説明。これにより成長産業における高収入職への就労機会を創出するとしている。

デジタルマーケティング分野では、Cleverが600万ユーロを投じジラにオフィスを設立する計画を明らかにした。さらに150万ユーロをビデオゲーム事業NARCに投資。Gentoo Mediaは120万ユーロを施設拡充に充て、従業員を70名から130名に増員する。

iGaming分野では、Soft2Betが4年間で2000万ユーロの展開計画を詳細に説明。これにはムリエヘルへの新拠点設立や、より多くのマルタ人専門家の業界職への適応支援策が含まれる。

Religaは総額約2100万ユーロの投資により、年末までに従業員数を200名から700名へ拡大する見込みだ。

主要企業の一つであるイーゼは、オフィス拡張、人材育成、先端技術に3000万ユーロを投資し、来年初めまでに従業員数を500人から1200人へ拡大する計画だ。

シェンブリ大臣は、マルタがビデオゲーム制作などの革新分野におけるハブとなり、長年にわたり大規模かつ広範な投資を誘致してきたと指摘。国内で事業を展開するゲーミング企業に対し、国際スポーツチームの露出に費やされることが多いスポンサーシップ資金の一部を、マルタ自国のスポーツプログラムやスポーツ人材、インフラ支援に充てるよう呼びかけた。

ゲーミング・マルタのイヴァン・フィレッティ最高経営責任者(CEO)は次のように強調した。「iGaming評議会は、主要な業界関係者が管轄区域の見通しや協力の取り組みを掘り下げるための重要なプラットフォームとして機能している。今回の会合では、新たなeスポーツ施設の設立やオフィスの拡大から、業務のアップグレードやスキル構築プログラムに至るまで、変革をもたらす投資が注目された。こうした進展は、マルタ・ビジョン2050と調和した、堅固で先見性のあるエコシステムを裏付けている」

1995年神戸生まれ。ゲーム記事エディター。国内メディアのゲーム・エンタメ記事編集者として5年勤務後、フリーライターとして複数のメディアで活躍。ビデオゲームの専門レビューや特集を中心にお届け。